第12章

中年の男性は福田家の当主、福田慎二である。

あの馬鹿は、彼の息子、福田岩太郎だ。

「島宮さん、こちらが私の息子、福田岩太郎です」

福田慎二は自分の馬鹿息子を指さしながら、にこにこと笑って言った。「少し頭が弱いところはありますが、子づくりには全く問題ありませんよ!」

天瀬美和子は急いで相槌を打った。「福田社長のおっしゃる通りです。岩太郎君は、見るからに福のある子ですわ」

島宮雪乃も横から口を挟んだ。「そうですね、姉さんが岩太郎さんに嫁げるなんて、本当に姉さんの幸せですよ」

島宮徳安はうなずき、島宮奈々未の方を見た。

「島宮奈々未、どう思う?」

島宮奈々未は冷たい目で彼らを見つめ...

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